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犬の感染症の薬~セファレキシンとは~

犬の感染症の薬~セファレキシンとは~ セファレキシン
犬の感染症の薬~セファレキシンとは~

セファレキシン(Cephalexin)

セファレキシンは、犬の感染症の治療に使用される抗生物質の一種です。

元々は人間用の医薬品ですが、犬、猫等のペットの治療用にも使われています。

特に犬の膿皮症(ブドウ球菌による皮膚感染症)に使用される、代表的な抗生物質です。

人間の場合には肺炎や気管支炎、扁桃炎などの治療に使われます。

セファレキシンは、セフェム系抗生物質と呼ばれる薬剤の一種であり、細菌が細胞壁(細菌の外側の壁)を形成するために必要な酵素の働きをなくすことにより、細菌の増殖を抑制する作用を持ちます。

皮膚感染症、尿路感染症、呼吸器感染症、骨や関節の感染症など、広範囲にわたる細菌感染症の治療に使用されます。

ちなみに、抗生物質は「細菌を殺す薬」なので、ウィルスや真菌(カビ)が原因の病気には効果がありません。

犬のマラセチア皮膚炎

人や犬の細胞には作用しないので、副作用やショック症状を起こすことが少ない薬です。

現在生産されている、抗生物質の多くが「セフェム系」となっています。

セファレキシンの特徴

犬の感染症の薬~セファレキシンとは~

犬の感染症の薬~セファレキシンとは~

セファレキシンは、犬、猫を治療するときに使用される、アメリカ食品医薬品局のFDA(Food and Drug Administration)も認可している、最も一般的な処方薬です。

寄生虫、ダニ、ウイルス、真菌による感染には効果を示しません。

バクテリアの細胞壁の形成を妨げるように働き、これによって、バクテリアは不安定になり消滅していきます。

セファレキシンはセファロスポリンの一種です。 セファロスポリンにはセファロキシム、セフトリアキソン、セファジリンなど、他にも多くのタイプがあります。

セファロスポリンは、注射液として提供され、主に手術前や重症感染症の治療に使用されます。

セファロスポリンは、バクテリアを殺すペニシリンと関連していますが、より広範囲に対応できる殺菌性抗生物質であり、皮膚、泌尿器系、呼吸器、骨、間接の細菌感染の治療に使用されます。

セファレキシンの服薬方法・期間・使用量

膿皮症等の細菌性皮膚感染症の場合

通常、犬の体重1kgにつき、25~30㎎を、最低でも1日2回投与し、21日~30日間します。

症状が改善すると、投薬を中止するということがありますが、早期の投薬中止は再発と耐性菌の発現を招くことを十分に理解して下さい。

セファレキシンは、一定以上に濃度を上げても、殺菌作用が変わらない、時間依存型の抗生物質なので、効果が不十分なようなら用量は変えずに、投与回数を1日3回に増やすことも、検討してください。

改善が見られない時は、病変部から材料を採取し、細菌を同定した上で、抗菌剤の感受性試験を行い、その結果を待ってから適切な抗菌剤に変更します。

服薬期間

  • 犬の表在性皮膚炎の治療には最低15日間
  • 犬の深在性皮膚炎の治療には最低28日間
  • 猫の皮膚および皮下組織の感染症(傷や膿瘍)の治療には5日間
  • 尿路感染症の治療には14日間

セファレキシン使用時の注意

犬の感染症の薬~セファレキシンとは~

犬の感染症の薬~セファレキシンとは~

  • 妊娠、授乳期の動物に対する使用には注意
  • 腎臓に影響する可能性がある薬と同時に使用する時には注意
  • 子犬(体重1kg未満)もしくは週齢9週未満の子ネコへは使用しない
  • セファレキシンに過敏症、アレルギーのある動物には使用できない

他のセファロスポリン薬(セファドキシル)やペニシリン(アモキシリン、アンピシリン)に対してアレルギーがあるペットに対しては、セファレキシンと交差反応を起こす可能性があります。

  • ペニシリン系に対する過敏症はセファロスポリン系に対する交叉過敏性を生じることある

交叉過敏性(こうさかおうせんせい)とは、ある物質に対するアレルギー反応を引き起こした場合、同じ免疫学的特徴を持つ他の物質にも反応することです。

具体的には、ある種類の抗原に対してアレルギー反応を起こした場合、似た構造を持つ他の抗原にも反応する可能性があるということです。

ペニシリンに対してアレルギー反応を起こした場合、セフェム系抗生物質に対しても同様の反応を示す可能性があります。

これは、ペニシリンとセフェム系抗生物質が同じβラクタム環を持つため、免疫系がこれらの抗生物質に対して交差反応を起こす可能性があるからです。

正確な量を正確な期間に投与することが重要です。

犬の症状が改善されたとしても、途中で治療を中止したり、量を減らしたりすることは、細菌が再び増殖し、治療効果が損なわれる可能性があります。

セファレキシンは、食事と一緒に服用することが望ましいです。

これにより、犬の胃腸に対する刺激が軽減され、薬の吸収が改善されます。

セファレキシン使用時の副作用

  • 吐き気
  • 食欲減退
  • 下痢
  • かゆみ
  • 赤み
  • 呼吸困難

服用後すぐに見られるのは、よだれや呼吸が荒くなる、興奮気味なるなどの症状です。

使用説明書に記載されている以外の用途で使用した場合、セファレキシンに対する耐性菌を出現させ、交叉耐性によるセファロスポリン系やペニシリン系といった他の抗生物質による治療効果が減ってしまう可能性があります。

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