犬の歯と人間の歯の違い
犬の場合、人間と比較すると、食物を歯で噛むことはさほど重要ではありません。
食物が飲み込める大きさであれば、飲み込んでしまえばいいからです。
ですから、歯がまったくなくても、十分に飲み込める大きさの食べ物を与えれば、それで生きていけます。
しかし、歯が抜ける原因となる病気があると、完全に抜け落ちるまでに、いろいろな障害が引き起こされます。
歯周病をはじめとした、歯の病気にかかる犬は非常に多いものです。
なので、犬の健康を考えると、歯の健康も非常に重要なポイントなのです。
犬の歯の健康を保つための正しいケア方法や予防のポイントをご紹介しますね。
犬の歯の役割

犬の歯の仕組み
犬の歯は、健康な生活を送るために欠かせない重要な役割を果たしています。
歯は食事を咬み砕くだけでなく、遊びにも関与しています。
また、歯の健康が悪化すると痛みや不快感が生じ、全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。
犬の歯の種類と構造
また、歯はないよりあった方がいいのは当然ですから、犬の歯の管理は非常に大切です。
犬の歯は乳歯と永久歯の2種類があるんです。
犬の歯の数は、乳歯が28本、永久歯が42本あります。
乳歯は子犬の頃に生えてきて、成長と共に使われなくなると抜けていくんですね。
そしてその代わりに、より大きく丈夫な永久歯が生えてきます。
乳歯のうち、切歯と犬歯は生後約3~4週齢目から、前臼歯は4週齢目から生えはじめ、
12週齢目までには、28本が全部生えそろいます。
そして、永久歯の生えはじめる少し前の生後約3カ月目頃から、乳歯が抜けはじめます。
永久歯は、3カ月目頃から7カ月目頃までに生えそろうのが理想的です。
切歯
犬の口の前部にある歯で、食べ物を噛む役割を果たします。
切歯は鋭くて直立しており、肉や骨を切り裂くのに適しています。
犬歯
犬歯は切歯よりも大きく、顎の中央に位置します。
獲物を捕まえる際に使われることが多く、強力な力を発揮します。
臼歯
臼歯は奥歯とも呼ばれ、食べ物を咀嚼する役割を果たします。
これにより、食物が消化器官に適切に移動される準備が整います。
犬がなりやすい歯の病気、歯周病とは

犬の歯の仕組み
犬の歯周病は、歯と歯ぐきの周囲の組織に炎症が起こる状態を指します。
2歳齢ですでに80~90%が歯の病気に冒されているといわれ、特に歯周病は、犬の病気のなかでは最も多いものです。
歯周病になると、食べかすや細菌が歯に蓄積され、歯ぐきの腫れや歯の抜け落ち、口臭などの症状が現れます。
進行すると痛みだけでなく、心臓病や腎臓病などの全身の健康問題とも関連があることが研究で明らかにされています。
歯の健康を守るために
歯磨きの重要性
犬の歯磨きは、歯の健康を維持するために最も効果的な方法の一つです。
専用の歯ブラシや歯みがきチューを使用して、定期的に歯磨きを行いましょう。
最初は慣れるまで少しずつ行い、「苦痛な時間」というイメージを持たせず、ポジティブな経験として楽しい時間にしましょう。
適切な食事とおやつ
歯の健康には、適切な食事が重要です。
歯に良い影響を与えるフードやおやつを選び、砂糖や加工食品を避けることが大切です。
また、歯の健康をサポートするための特別なフードも市販されています。
定期的な歯科検診
定期的な歯科検診は、専門家による歯の健康チェックやプロフェッショナルなクリーニングを受けるために重要です。
獣医師の指導のもと、適切なタイミングで歯科検診を受けるよう心がけましょう。
歯磨きは必ずしましょう
犬の歯は、人間と同様に大切な部位です。
なので、犬の歯磨きは、できるだけ早い段階から始めることが大切です。
歯磨きは犬の健康を保つために欠かせないケアの一つであり、適切なタイミングで始めることで歯のトラブルを予防することができます。
歯の健康を保つことは、犬の全身の健康にも大きな影響を与えます。
子犬の時期から歯磨きを習慣づけることで、歯ぐきの健康を保ち、虫歯や歯周病のリスクを減少させることができます。
もし成犬で歯磨きを始める場合でも、遅すぎることはありません。
成犬でも歯の健康は保つことができます。
ただし、成犬の場合は徐々に慣れさせる工夫が必要かもしれません。
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