愛犬の歯磨き、していますか?
その大切さは充分わかりつつ、実際はしていないという人が意外に多いのではないでしょうか。
犬にも歯のケアが大切だという意識は、大分浸透してきていますが
実際に愛犬の歯のケアをしている飼い主さんというのは、40%に満たない程度です。
歯のケアをしない理由として、こんな理由が多いようです。
- 面倒だからしない
- 歯磨きをしようとすると犬が嫌がる
- 歯のケアのやり方自体がよくわからない
- 歯磨きの大切さがわかっていない
歯周病の予防には愛犬の歯垢(しこう)を取り除くことが一番大切です。
歯周病の原因である歯垢は、一度取り除いても、6~8時間で再び付着し、歯石も2日で付着してしまうといわれています。
歯磨きを怠ったり、しっかり磨けていないと歯の表面に歯垢がどんどん溜まります。
歯垢に雑菌が繁殖してしまうと、歯肉炎などを発症します。
歯茎に炎症や腫れがあると、食事を食べにくくなって食欲が低下したようにみえたり、
おもちゃなども咥えたがらなくなるので、遊ぶ頻度が減り、元気がなくなったように見えるでしょう。
そして、歯周病を放置すると、歯が抜けてしまったり、歯周病菌が血管を通って心臓や腎臓などの内臓疾患を引き起こす原因になるのです。
歯周病の場合には症状が出ても気づきにくいということも、この病気を多くしている一因だと言えます。
愛犬に症状が出た頃には、すでに歯周病は悪化している状態なのです…
愛犬の歯磨きは毎食後にするのがもっとも望ましいのですが、最低でも1日1回はしてくださいね。
まずは、歯磨きに慣れさせましょう

愛犬の口腔ケアにはとにかく歯磨きが大切!~歯磨きの基本~
犬の場合、歯ブラシを口の中に入れようとすると、嫌がって歯磨きが出来ない場合も多いようです。
そこで、まずは口のまわりを手や指で触ることから始めてみてください。
愛犬の歯を磨くには、抵抗なく口を開けさせることが必要です。
注意することは、犬に恐怖感を与えないことです。
すぐに口を開けてくれなくても、叱らずに、歯磨きに慣れさせることから始めます。
ガーゼや手袋などで優しく歯を触り、最初は2、3分で切り上げます。
上手にできた時は、必ず褒めてあげて、ご褒美を与えたりしながら、歯磨きは楽しいものだと思わせましょう。
出来れば、仔犬の時から体のいろいろなところに触る習慣をつけ、触られても嫌がらないようにしつけておくことが大切です。
基本的な歯磨きの方法
まず切歯と犬歯の表側から始めます。
切歯と犬歯は口の前方にありますから、磨きやすいのです。
切歯と犬歯を磨くのに慣れたら、前臼歯と後臼歯(後ろの方の歯)外側面を磨きます。
通常、犬は歯の裏側は自分の舌できれいにするので磨くのは歯の表側だけでも構いません。

愛犬の口腔ケアにはとにかく歯磨きが大切!~歯磨きの基本~
でも、歯の裏側も磨けるならさらに良いでしょう。
そのためには、口を大きく開けさせる必要があります。
やり方ですが、両方の上顎の犬歯の後方に親指と人差指を当て、後ろにそっと反らすと自然に口が、開きます。
その状態で歯の裏側を磨いてください。
STEP1.ガーゼを使った歯磨きのやり方
まず、ガーゼとごく薄い食塩水を使う歯磨き方法を説明しますね。
- 使うもの
ガーゼ、ごく薄い食塩水
また、もし入手できれば、食塩水の代わりに、0.2%のクロヘキジン溶液(動物病院にて入手可能)を使うのがベストです。
- 方法
人差指の周りに清潔なガーゼを巻きつけ、口と鼻の部分を軽くつかんで口を閉じて数を数え、静かに口を閉じていることを教えてください。
そして反対側の手でいぬの上唇をやさしく持ち上げるか唇を下げて歯を露出させます。
唇をめくり、切歯部(前歯)を調べます。
さらに唇の横の端を尾方に引っ張って臼歯部(奥歯)を調べます。
口の中を見る時に、無理に口を開かないようにしてください。
10~30秒間口の周りを触らせたり、歯を見せることを嫌がらなくなれば
ガーゼを巻いた指を薄い食塩水に浸して、歯ぐきと歯をやさしくこすってあげます。
特に、歯と歯ぐきの結合部分をよく磨くことが重要です。
STEP2.歯ブラシを使った口腔ケア

愛犬の口腔ケアにはとにかく歯磨きが大切!~歯磨きの基本~
愛犬がガーゼで口を触られることに慣れたら歯ブラシを使います。
やはり歯ブラシが最もよい方法です。
犬用の歯ブラシはペットショップや動物病院で入手できます。
また小児用の毛の柔らかい歯ブラシでも構いません。
ただし、人間用の歯磨き剤は使わないようにしてください。
唾液の過剰分泌の原因になりますし、飲み込むと胃腸障害を引き起こすことがあります。
歯ブラシにはアイスクリームやマヨネーズなどのペットの好物を少しだけ付けてやったり、
歯磨きが終わってから楽しみにしている散歩に行くなど、歯磨きと楽しい事をセットにして覚えさせるのも効果的です。
子犬の場合は、歯が生え始めた頃から歯磨きをスタートするといいでしょう。
最近では、歯にスプレーするだけの犬用の水歯磨きもあり、動物病院で入手可能です。
どうしても歯磨きができない場合は、それを使用するのもよい方法です。
- 方法
歯ブラシでの歯磨きは、切歯部から始め、ブラッシングは歯と歯肉の境界に45度の角度で円を描くように歯と歯肉をマッサージするように磨くとよいでしょう。
切歯部が無理なく行えるようになったら臼歯部のブラッシングを行います。
さらに慣れたら口を少し開けて内側面をブラッシングします。
歯磨きを習慣にする為に
大切なことは、毎日決まった場所で決まった時間に歯磨きを行なうことです。
歯磨きを行ない、歯石が付着することを直接防ぐこと以外にも、日常生活で気をつけるべきことがあります。
その1つが、食事をいつでも食べられるように、出しっ放しにしておかないことです。
いつでも食事を食べられる状態にしておけば、 当然、歯石の付く機会が増えます。
また、肥満の原因にもなるし、躾けの点からもよくありません。
食事は決まった時間に決まった場所で、決まった量を与えてくださいね。
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