犬も虫歯になるの?
結論から言うと、犬は非常に虫歯になり難いのです。
虫歯は、虫歯菌が作る酸が歯を浸食することなので
口の中がアルカリ性であれば、酸は中和されやすいことになります。
歯学の世界では、口腔内のPH(ペーハー)が5.5以下の酸性になると、
歯の表面の琺瑯質(エナメル質)が溶け出し、虫歯になることがよく知られています。
人の唾液のpHは6.8とほぼ中性です。
ところが、犬や猫の唾液のpHは、約8.2とかなりのアルカリ性で、
仮に甘いものを食べて糖分から酸が出来てもすぐに中和されてしまい、虫歯になり難いのです。
また、人間のようにデンプンを糖に変える酵素がないので、口の中に糖分がとどまりにくいのです。
そして、犬は人のような臼歯を持ち合わせてないことや、
犬の口腔内はアルカリ性で、 人よりもヨダレの量が多いことにより、
虫歯菌が増殖しにくことも虫歯になり難い理由です。
でも…犬も虫歯になってしまうんです。
そもそも虫歯とは
虫歯の定義=う蝕(齲蝕・うしょく)
う蝕(齲蝕・うしょく)とは、口の中にある細菌が糖質から酸を作り、その酸によって、歯質が侵食されて起こる、
歯の実質欠損のことです。
もう少し解りやすく言うと
虫歯菌がお口の中の糖分を食べて酸を出し、その酸が歯を溶かすということです。
虫歯とはう蝕された歯のことで、う歯と呼びます。
つまり虫歯とは、う蝕(齲蝕・うしょく)の結果の歯の状態を意味するわけです。
そして虫歯は歯周病と並び、歯科の二大疾患の一つになります。
犬の虫歯の原因
犬の虫歯の主な原因は、食事と歯磨きの習慣に関係しています。
犬の歯には歯垢が付着し、これが細菌の繁殖を引き起こします。
細菌が歯垢を分解する際に酸が発生し、歯のエナメル質を侵食します。
これが虫歯の原因となります。
犬の虫歯の症状

犬と虫歯の関係
- 歯ぐきの腫れと炎症
虫歯が進行すると、歯の周囲の歯ぐきが腫れたり炎症を起こすことがあります。
歯ぐきが赤く腫れ、触ると痛がることがあります。 - 歯の変色
虫歯が進行すると、歯の表面に茶色や黒色の斑点が現れることがあります。
歯が変色することで、見た目の美しさも損なわれる可能性があります。
犬の歯の仕組み - 食事時の不快感
虫歯が進行すると、食事を噛む際に歯に痛みを感じることがあります。
特に冷たい飲食物や甘いものを摂る際に痛みを感じることが多いです。 - 歯の感度
虫歯が進行すると、歯が過敏になることがあります。
冷たい飲食物や温かい飲食物に対して過度に反応し、痛みを感じることがあります。 - 口臭
虫歯による細菌の増殖や歯の崩壊によって、口臭が強くなることがあります。
口から不快な臭いが発生することで、犬の全体的な健康状態にも影響を与える可能性があります。 - 食欲の減退
歯に痛みや不快感を感じることで、犬の食欲が減退することがあります。
食べることが痛みを伴うため、本来の食事量を摂取しなくなることがあります。 - 唾液の増加
虫歯による炎症や痛みによって、犬の唾液の分泌が増加することがあります。
唾液の増加は口周りが湿っぽくなることを意味し、これも虫歯の症状の一つと言えます。
これらの症状が見られた場合は、早めに獣医師に相談することが重要です。
犬の虫歯の予防方法
- 適切な食事
犬には歯の健康をサポートする栄養が必要です。
栄養価のあるフードをあげましょう。
また、砂糖や甘いものを与えるのは控えるようにしましょう。 - 定期的な歯磨き
犬の歯磨きは、虫歯予防の基本です。
犬用の歯磨きグッズを使用して定期的な歯磨きを行い、歯垢の蓄積を防ぎましょう。
愛犬の口腔ケア・歯磨きの基本 - 歯科検診
定期的な歯科検診も重要です。
獣医師による専門的なチェックやクリーニングを受けることで、歯の健康を維持できます。
犬の虫歯の治療法
犬の虫歯が進行してしまった場合、抜歯や充填などの治療が必要となることがあります。
- 歯石除去
歯科専門医による歯石の除去によって、虫歯の原因となる細菌や歯石を取り除くことができます。 - 虫歯の治療
進行した虫歯の場合、歯を削り、詰め物を施すことで治療を行います。 - 歯の抜歯
重度の虫歯や歯の損傷が酷い場合は、歯を抜歯することが選択肢となることもあります。
治療法は症状や虫歯の進行度によって異なりますが、早い段階での対処が大切です。
まとめ
犬の虫歯は、食事や歯磨きの習慣によって引き起こされる問題ですが、適切な予防策や定期的なケアによって予防・管理することが可能です。
愛犬の歯の健康を守るために、日々のケアを怠らずに取り組んでいきましょう。
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