犬は素晴らしいペットですが、家の中でのマーキングは臭いが気になるし、イライラする問題かもしれません。
犬のマーキング行動を防ぐ鍵は、なぜ犬が室内でおしっこをするのかを理解することにあります。
この記事では、犬の家の中でのマーキングを防ぐための方法に焦点を当てて詳しく説明します。
これにより、愛犬がお家のあちこちに尿を噴射することを防ぐ手助けができるでしょう。
そもそも犬のマーキングって何?
マーキングと排尿(おしっこ)は違います。
マーキングは意図的に行うもので、主にオス犬が尿を噴射して自分の領域を示す行動のことを指します。しかし、これはオス犬に限らず、メス犬も時折この行動を示すことがあります。
- マーキング=犬の縄張りとして空間や物に印をつけるために、少量の尿をすることです。
- 排尿=愛犬がこれ以上我慢できなくなったときに起こり、通常は平らな場所で起こります。
マーキングは一般的には壁やキャビネットのような直立した面や特定の物に行います。ただし、床などの平らな面にマーキングすることもあります。
それから、マーキングの為にするおしっこは”スプレー”と呼ぶこともあります。
マーキングするのはオス犬だけ?
マーキング行動は珍しいことではなく、犬が自分の優位性を主張するための方法です。
多くの人は、尿マーキングをするのはオスの犬だけ、特に去勢前のオスだけだと思い込んでいます。でも、そうではありません。
オス犬もメス犬も、去勢・避妊に関係なく尿マーキングをします。
中には足を上げてマーキングするメス犬もいます。
マーキングは2歳以下の犬によく見られます。
マーキングには、愛犬の血統、子犬の頃の育て方、家庭の環境や状況が関係していることがあります。
なぜ犬は家の中でマーキングをするの?
犬はなぜ家の中でマーキングするのでしょうか?
愛犬がソファや壁、リビングの隅で足を上げるのは理想的ではありませんが、尿マーキングは、鼻を通して世界を経験し、コミュニケーションとして匂いを残す犬にとって、とても自然な行動です。
ただし、同じマーキングでも、自分の気持ちを伝えるためだったり、自分の周囲の環境を管理するためだったり、自分をアピールするためだったり、行う理由にはいろいろあります。
新しい家族に対してのマーキング
新しいペットや、大切な人、あるいは赤ちゃんなど、新しい人が家族に加わった場合、愛犬はこれを家族のヒエラルキーに対する挑戦として認識する可能性があります。
あなたの愛犬があなたのベッドの近くや上、あるいは新しい人の服の近くでスプレーをし始めたら、それはあなたの愛犬が挑戦を受けていると感じているサインです。
不安やストレスが原因のマーキング (Anxiety and Stress)
愛犬のストレスの原因はさまざまです。
犬が不安やストレスを感じると、それがマーキングの原因となることがあります。新しい環境、飼い主の不在、他のペットとの緊張などがストレスの要因となります。
新しい家具によって室内の環境が変わったり、家族がケンカをして雰囲気が悪くなったり、家族の誰かがペットを飼っている友達の家に行って、その匂いを家に持ち帰ったり。
様々な変化が犬にストレスを与え、犬はそれをコントロールしようとしてマークをつける原因になります。
縄張りの為のマーキング(Territorial Behavior)
犬は自分の領域を確立しようとする動物です。オス犬は特に、他の犬や動物に対して支配的な存在であることを示すためにマーキングを行います。
医学的問題によるマーキング (Medical Issues)
もしあなたの愛犬が突然行動を変え、家の中で何も変化がないのにマーキングやスプレーをし始めたら、それは尿路感染症(UTI)のサインかもしれません。
また、犬が(寝ているか起きているかにかかわらず)気づかないうちに排尿している場合は、マーキングとはみなされません。その場合、尿失禁となります。
尿路感染症や医学的な問題が疑われる場合は、早急に獣医師の診察を受け、原因を特定してください。
マーキングの原因から医学的な問題を除外することは非常に重要です
獣医さんに診てもらい、犬がおしっこをしたくなるような健康上の問題がないか調べてもらいましょう。
これが除外されれば、マーキングが行動的なものである可能性が高いことがわかります。
犬が家の中でマーキングを防ぐための7つの方法
大事なことは、誘因を理解することです。
新しい場所、他の犬や動物が家に入ったとき、新しい家具、同じ場所に何度も戻ってくるときなど、
愛犬がいつ、どこでマーキングを始めるかに注意しましょう。
行動を予測することができれば、行動を防いだり、中断させたりすることができます。
①マーキングを消す (Clean Up Accidents Properly)
犬は匂いでコミュニケーションをとります。マーキングの痕跡を消さないと、犬は同じ場所に再びマーキングをします。
つまり、犬はおしっこの臭いを嗅ぐと、その場所で排尿を続けようとする可能性が高くなるのです。
徹底的に掃除しましょう。尿のニオイを隠すだけでなく、掃除して中和できれば、犬がその場所で尿のニオイを嗅ぎ続けたり、マーキングのために戻ってきたりする可能性は低くなります。
その際、刺激の強い化学薬品や香りの強い洗剤は避けましょう。犬はこれらの匂いを「挑戦者」の匂いと解釈してしまいます。代わりに、臭いを中和する酵素ベースのクリーナーを使って、臭いの痕跡をすべて取り除いてください。
②注意をそらす・気分を変える
マーキングの前に方向転換させることは、マーキングが始まってから中断させるよりもはるかに効果的です。
特に犬がマーキングしやすい場所にたむろしている場合は、できるだけ目を離さないようにしてください。
愛犬が家の中の特定の場所をぐるぐる回り始めたり、靴や家具などの物の臭いを嗅ぎまわったりしていると、マーキングの準備をしている証拠です。犬が足を上げたり、しゃがんだりする前に、方向を変えてあげましょう。
愛犬が壁や家具の匂いを嗅いでいるのに気づいたら、おやつやおもちゃを使って、その場所から愛犬を遠ざけ、トイレをさせるために外に連れ出します。
③マーキングされたものをブロックするか取り除く
おやつが効かない場合は、犬がその物に執着できないように、その物や場所へのアクセスをすべて取り除きます。
特定の場所であれば、犬はそれがまだそこにあることを知っているので、より忍耐が必要になります。
その場所をふさぐことができない場合は、ビニールやプチプチを地面に敷いて、犬が近づけないようにします。ポイントは犬の執着を抑えることです。
カーペットを保護するために、小さくて洗いやすいエリアラグやタオルを敷いて、定期的にマーキングした場所を保護します。
④新しい新しい家族との「衝突」を解決する
愛犬が新しい家族と良い関係を築けるように、ポジティブな強化策を用いましょう。
その人が十分な年齢であれば、愛犬に小さなおやつを食べさせたり、お気に入りのおもちゃで一緒に遊ばせたりします。
新しい赤ちゃんがいる場合は、愛犬に赤ちゃんの毛布の匂いを嗅がせ、数日間その毛布を愛犬の寝床に置きます。
赤ちゃんを抱いているときに、ご褒美として小さなおやつを与え、赤ちゃんの匂いとポジティブな経験を関連付けます。
⑤群れのリーダーとしての役割を再確認する
犬は群れで生活する動物であり、群れのリーダーに従うのが犬の本性です。
最も簡単な方法は、食事の時間や散歩の前に、犬が直接命令に従うようにしつけることです。
これを一貫して行うことで、あなたが主導権を握っているというメッセージを送ることができ、スプレーやマーキングをしても、犬が群れのリーダーになることはできません
⑥犬のマーキング行動を中断させる
犬がマーキングをしているところを見つけたら、音(手をたたく、鍵を床に落とすなど)で驚かせて、その行為を中断させましょう。
どのような犬のしつけにも言えることですが、犬が家の中でマーキングをしないように教えるには時間がかかるかもしれません。
少しの忍耐と愛情があれば、愛犬のこの不快な行動を抑えることができます。
⑦屋外でのマーキングを奨励する
屋外でのマーキングの奨励しましょう。
愛犬に屋外の適切な場所で尿マーキングをさせることで、自然なマーキング行動のはけ口を作ってあげましょう。
散歩中は愛犬を急かさず、立ち止まっておしっこをする機会を作ってあげましょう。
室内でのマーキングを止めさせる時の注意点
大事なことは、罰を与えないことです。
家の中でマーキングされるとイライラしますが、マーキングをした愛犬に罰を与えないようにしましょう。
代わりに、犬を直接外に連れ出し、その場所を徹底的に掃除します。
何がマーキングの引き金になったのかをよく考え、愛犬から目を離さないようにしましょう。
マーキングの予防方法
犬が家の中でマーキングする問題はいろいろな方法で、予防できます。
去勢や避妊、一貫したトレーニング、日常のルーチンの確立、ポジティブな強化、適切な事故の片付け、ストレスと不安の軽減等、正しいアプローチを取ることで解決できます。
去勢または避妊 (Spaying or Neutering)
この手術は、オス犬やメス犬の性的な行動を抑制し、マーキングの傾向を減少させるのに役立ちます。
一貫したトレーニング (Consistent Training)
犬に一貫したトレーニングを提供することは、マーキングを防ぐのに役立ちます。コマンドを覚え、適切な行動を学びます。
日常のルーチンの確立 (Establish a Routine)
犬には予測可能な日常のルーチンが必要です。食事、散歩、トイレ休憩などを一定のスケジュールに従って提供しましょう。
愛犬が昼寝から目覚めたり、落ち着きがないように見えたら、トイレをさせるために外に出します。
室内に戻ったら、監督を続け、犬がマーキングしたい場所から遠ざけます。
ポジティブな強化 (Use Positive Reinforcement)
良い行動に対してポジティブな強化を行いましょう。褒め言葉やおやつを使って犬を奨励しましょう。
犬がマーキングしようとしていた場所から離れたら、褒めて、おやつやおもちゃで遊んであげましょう。
ストレスと不安の軽減 (Reduce Stress and Anxiety)
犬のストレスや不安を軽減するために、適切な環境を提供しましょう。リラックスできる場所やおもちゃを提供することが役立ちます。
おむつや腹帯を着用する(Diapers and belly bandages)
おむつや腹帯を着用することが予防策として有効です。
犬は濡れている感覚が嫌いなので、ほとんどの犬はおむつをしたままマーキングをしようとしません。
おむつや腹巻は、犬がストレスを感じたり、苦しがったり、絡まったりしたときに、近くにいて手を差し伸べることができるときだけ使用し、定期的に濡れていないかチェックしてください。湿っている場合は、刺激や不快感を防ぐため、すぐに交換しましょう。
獣医師への相談 (Consult a Veterinarian)
犬がマーキングを続ける場合、医療問題が影響している可能性があります。獣医師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。
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