ブルマスティフは大きな体と優れた番犬の能力を持つのに、家庭犬としても愛される犬種です。
ちょっと、ブルドッグに似た感じで、なんだか怖い印象ですが、実はとっても愛嬌のある素敵な犬なんです。
日本では、まだ、あまり知られていませんが、海外ではとっても人気のある犬なんですよ。
その優しさと迫力ある容姿は、多くの飼い主たちを魅了しています。
ブルマスティフの性格、歴史、そして日常生活での飼育ポイントなど、幅広い情報をお届けします。
ブルマスティフの歴史
ブルマスティフは19世紀頃にイギリスで誕生した犬種です。
当時、イギリス貴族は所有地への侵入や密猟者との問題に悩んでいました。
そのため、番犬として利用できる犬種が必要でした。
そして、ブルドッグの血を40%、マスティフの血を60%の割合で掛け合わせてできたのが
「番人の夜を守る犬」というニックネームで知られるブルマスティフでした。
ブルマスティフは、番犬としての優れた性格を発揮し、その評判はすぐに広まりました。
1933年にはアメリカでも登録され、世界中で愛される存在となりました。
時が経つにつれて、ブルマスティフは番犬から家庭犬へと進化していきました。
穏やかで家庭向きな性格に改良され、
防衛本能は保たれつつも攻撃性は低くなり、
フレンドリーで甘えん坊な性格が引き出されました。
元々は夜間に領地を守る目的で作られたため、毛色は黒系統が多かったのですが、
家庭犬として受け入れられるようになると、明るい毛色が好まれるようになりました。
ブルマスティフの見た目
ブルマスティフはその迫力ある容姿と、優しい性格のギャップが魅力のポイントです。
特徴的な容姿も一際目を引きます。
頭部が大きく、マズルは短い特徴的な外見を持っています。
シワのあるブルドッグのような顔は、どこか愛嬌があり、ユーモラスな雰囲気を醸し出しています。
それから、垂れ耳と太く垂れた尻尾も彼らの個性です。
もともと番犬としての使命を果たしていたため、がっちりとした筋肉質な体は、ブルマスティフの特徴です。
長く太い手足が特徴的で、成犬になると体重は60kg近くにもなります。
頑丈で力強く、特にアゴの力は強烈です。
間違って噛まれたら、大けがになるので、適切なしつけが欠かせません。
大きさ
- オスは体高が64〜69cm、体重が50〜59kg
- メスは体高が61〜66cm、体重が41〜50kg
です。
寿命
ブルマスティフの平均寿命は8歳~10歳です。
犬全体ではやや短命と言えます。
ブルマスティフの性格と習性
ブルマスティフはそのいかつい外見とは裏腹に、非常に優しい性格を持っています。
基本的に穏やかで優しく、フレンドリーな性格が特徴です。
そして、もともと番犬として人々を助ける役割を果たしてきた経験からか、飼い主に対して忠実で勇敢な一面も見受けられます。
また、活発な運動が大好きで、遊ぶことを通じて愛情を表現する甘えん坊な一面も見せます。
しかし、嫌なことや無理な指示には従わない頑固な部分もあります。
訓練を嫌がることはありませんが、独自の考えを持つため、飼い主にとって理解しやすいコミュニケーションが求められます。
ブルマスティフは知られざる一面も多く、飼い主との信頼関係を築く過程でその魅力がより深まります。
ブルマスティフの毛色と被毛
ブルマスティフは美しい毛色のバリエーションで知られています。
ブリンドル
ブリンドルは、茶系と黒が美しく混ざり合った独特の模様を指します。
この模様がブルマスティフの風格を引き立てます。
フォーン
フォーンは、ベージュから赤みのかかった茶色の毛並みを指します。
優雅で温かみのある印象を与えます。
レッド
レッドは、深みのある赤みがかった毛色を指します。
力強く、しっかりとした風貌を演出します。
白い斑点とブラックマスクの魅力
ブルマスティフの毛色には、胸辺りにわずかな白い斑点が見られることがあります。
これがさりげないアクセントとなり、個性を際立たせます。
また、ブルマスティフの顔はブラックマスクが特徴的です。
マズル周りが黒いブラックマスクは、彼らの力強く風格ある表情を引き立てます。
ジャパンケネルクラブによれば、ブルマスティフの顔はブラックマスクが必須とされています。
これが、彼らの特有の美しさと個性を象徴しています。
マズルとは?
ちなみに、マズルとは、犬の口や鼻の部分を指します。
具体的には、口先から鼻先にかけての顔の突出した部分で、口を開閉することや匂いを嗅ぐことに使われる重要な器官です。
ブルマスティフのような犬種は、力強く短いマズルを持っています。
ブルマスティフの被毛の手入れ
短毛種でシングルコートのブルマスティフの被毛ケアは簡単です。
大きな体を持つ彼らの被毛を美しく保つために、以下のポイントを押さえましょう。
定期的なブラッシング
週に2回のブラッシングは、ブルマスティフの被毛ケアの基本です。
これにより抜け毛をコントロールし、全身のチェックや皮膚炎の予防にもつながります。
シングルコートに適したブラシを選ぶことが肝心です。
適切な頻度でのシャンプー
1~2ヶ月に1回のシャンプーは、抜け毛対策に効果的です。
健康な皮膚と被毛を保つために、質の良いシャンプーを使用しましょう。
季節の変わり目に注意
ブルマスティフは季節の変わり目などに抜け毛が増える傾向があります。
この時期には特に定期的なブラッシングが重要で、抜け毛をある程度防ぐことができます。
食事にも注意
被毛のケアには食事も関係しています。
質の良いフードを与え、栄養バランスを整えることで美しい毛並みを維持しましょう。
ブルマスティフのしつけ
子犬のころからしっかりしつけることは、ブルマスティフの飼育において非常に重要です。
この犬種は飼い主や家族に対して強い愛情を示してくれますが、同時にテリトリー意識が強いため、見知らぬ人に対する警戒心が攻撃的にならないように気をつける必要があります。
子犬の頃からきちんとトレーニングを行うことが信頼関係の基盤を築く秘訣です。
基本的なコマンドを子犬の頃に覚えさせ、成長に伴いより難しいトリックなどに挑戦すると、
徐々に犬と飼い主のコミュニケーションが深まります。
ブルマスティフは元々番犬としての役割を果たしていたため、警戒心が強い特性があります。
子犬用のしつけ教室などで社交性を身につけさせ、他の人や動物との適切な関わり方を学ばせることが重要です。
これにより、外部との交流がスムーズになります。
家の外でブルマスティフを遊ばせる際には、しっかりとしたフェンスで囲むことが必要です。
これにより、テリトリー内に他の動物が入ってくるのを防ぎ、安全な環境を提供できます。
安心して外で遊ぶことができる環境が、犬の健康と幸福につながります。
ブルマスティフの飼い方
大型犬ならではの注意点があります。
室内での飼育が基本です
屋外での繋ぎっぱなしは避け、基本的には住居内での飼育が指定されています。
外部環境における警戒心の強まりや攻撃的な傾向があるため、しっかりと管理を行いましょう。
ブルマスティフは大きな体を持つ一方で、他の犬種と同様に群れる本能があります。
そのため、室内での飼育がストレスの軽減につながります。
特定犬
また、ブルマスティフは一部の自治体で特定犬に指定されています。
これは、咬傷事故などが起きた場合に重大な事態になる可能性があるとして、自治体ごとに定められたものです。
現在、茨城県や佐賀県など4つの自治体でこの指定があります。
各自治体の遵守事項に留意し、飼育を行う必要があります。
適切な運動量の確保
朝夕の散歩が必須です。
ブルマスティフは1日2回の散歩が必要です。
30〜60分の歩行が適切であり、走ることよりも歩くことが好ましいです。
特に子犬の段階から歩行訓練を行い、引っ張り癖を防ぐよう心掛けましょう。
ブルマスティフまとめ
ブルマスティフは、大きくがっしりした体つきと怖そうな顔つきから、獰猛な犬だと勘違いされがちな犬種です。
その判断それはある意味では正しく、ある意味では間違っています。
ブルマスティフは、飼い主がしっかりと上下関係を築き、お互いに愛情を持った主従関係を作ることができれば、飼い主を守り、甘え、愛情を注いでくれる最高の家族の一員となりますよ。
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